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曇り空の夏休みの1日。
パーンと勢いよく洗濯物を干して、ふっと空を見上げた。
ちょっと、曇り空。
でも、雨が降りそうな気配は無い。
今朝の黒岩家は、静か。
おじさんも休みのたか兄も、7時前だからまだ寝てる。
たく兄は、なんだか言うサークルの合宿に、無理矢理誘われて拉致られ、夕べから居ない。
俺と居候仲間の孝哉も、孝哉父と水入らずで夏休みを過ごす為、昨日の昼から不在だ。
それはもう、単身赴任中の夫に、いそいそと会いに行く妻の様な、喜びいっぱいの体で出掛けて行った。
きっと今頃、べったりお父さんに引っ付いて、ゴロゴロ喉を鳴らし兼ねない位に甘えているのだろう。
尊母は、まだ帰らない。
異国の地で、羽目を外してるままだ。
尊は、そろそろ起きて来るかな?
尊が起きて来たら、
『デートしよう』
と、誘ってみようかな?
ちょっと遠くに、2人っきりで出掛けようって、誘ってみようかな?
黙って2人っきりで出掛けると、本当は怒られる。
でも、俺達だってもう高校生。
たまには内緒で、出掛けたい。
出掛けたって良いお年頃、だよね?
いつ迄も、良い子でなんていられない。
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