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「馬鹿言うな!!」
怒り出す真澄が珍しいのか、頭から湯気を出す真澄に、タケの奴がぺったりくっ付いた。
「真澄ちゃん~我慢だ~李杜は無視してやると堪える~♪」
歌う様なタケの発言に、タケを抱き締め返して真澄は、ちろりと李杜を見やる。
李杜は、苦い顔をしていた。
そんな李杜を、タケの言葉通りツゥーンと無視した真澄は、タケを抱き締めたまま歩き出しながら、
「で、たけちゃん。 それは誰情報?」
と訊く。
「こうちゃんだぁ~♪」
真澄を見上げながら、タケは笑って答える。
「なーる程☆ こうちゃんなら、李杜通だものねぇ」
ちろりと、真澄は李杜を窺い見る。
そして、ニヤリと笑った。
李杜は舌打ちして、
「冗談に決まってるだろ! 煩いから、脅しただけだ! そんな写真、売れと頼まれても、売りたく無いしな!」
怒鳴る様に言い捨てて携帯をしまう。
「仲間内で脅すのは、良くないぞ?」
ぼそりと、李杜の弱点を知り尽くしているであろうコウが、囁く。
「お前は、口が軽過ぎだ」
むっつり顔で、李杜はぼやく。
コウは、低い声で笑い出した。
楽しそうな声だ。
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