-由希の世界-

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成績優秀。容姿端麗。 要はパ-フェクトな人間を見て、人はとりあえず嫉ましく思うのは、まぁ-仕方のないことなんだろう。 「改めて、おめでとう。貴方は我が校の誇りよ。」 清楚なス-ツを着込んだ熟女が、高そうな皮張りの椅子に座りながら喜喜として言った。 由希(なおき)は机を挟んで理事長の前に立ったまま、大して有り難くもない言葉を笑顔を絶やさずに聞いていた。 「これからもその素晴らしい才能を遺憾なく発揮していって下さいね。加賀由希くん。」 「はい。ありがとうございます。」 由希の笑顔は最後まで崩れるコトはなかった。 これぞ生きる優等生である。
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