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「あー…別に、なんでもない。で、なに?俺のこと呼んでたんでしょ?」
平然を装って冷静に聞き返す。
俺って結構演技派だな…
「ああ、大した用事じゃないんだけど、購買一緒に行かない?」
ズボンの後ろポケットから水玉模様でガマ口の小さな小銭入れを出しニッコリ微笑む千尋。
コイツはホントに…どうして持ち物まで女子くさいんだ。
最近、ますます可愛くなった気がするし…コイツ、マジで女なんじゃないの?
はっ!!
まさか…何か人には言えないような理由があり男装して学校生活を送っているとか?
本当は超絶可愛い美少女とか?
だから俺が千尋を好きになるのは全然おかしなことじゃない、とか?
………アホか俺。
最近のドラマに影響されすぎだろ。
今さら現実逃避してどうする。
コイツはれっきとした男で女の子みたいなだけ…
よくよく考えたらトイレだって一緒に行くし、夏休みは一緒にプールにだって行ってたじゃねーか。
マジで何を期待してたんだ俺…
アホくさ。
「…いいよ、行く。」
他のやつなら面倒と断るとこだけど千尋のお願いなら聞かないわけにはいかない。
俺って千尋に甘いんだよなー…多分。
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