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購買部は俺たち1年の教室から、かなり遠い場所にあって2、3年生のクラスがある新校舎まで行かなくてはいけない。
旧校舎を出て渡り廊下を抜けて新校舎に入る。
(ちょ…ねえねえ!アレ!)
(え?…あ!千尋くんだ!)
(本当に女の子みたいなんだねー。可愛いー!)
あー…もー…
(その隣って浅海くん?)
(そうそう!2人仲良いらしいよ。)
(2人並ぶとマジ目の保養になるよね~!)
まわりの視線がマジでウザイ。
千尋の存在は2、3年の中でも有名で話題になってるのは知ってたけど、いつの間にか一緒にいる俺までもが騒がれる対象になってしまった。
俺は言うなれば千尋とはまるっきり真逆の見た目で、
身長は180近く、中学のときにやってたテニスのおかげで細マッチョ。
目は親譲りで二重なのにちょいタレ目で、涙ボクロがちょこんとついている。
髪の毛はちょっと天パー気味で、ゆる~くうねってるし、声だって低いし、のどぼとけもいい具合に出ててるし、どっからどう見ても間違えようのないくらいにれっきとした男。
千尋みたいに可愛い顔をしてるわけでもないのに、なぜ騒がれているのか理解に苦しむ。
きっとみんな千尋と一緒にいるから俺までよく見えるっていう勘違いに陥ってるんだと思う。
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