紹介

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「大変お待たせ致しました」 店員の声に顔を上げる。 漸く、ピザとビールが運ばれてきた。 「ご注文は以上でよろしいですか?」 店員の声に頷き、槇途の掛け声で乾杯をした。 「仕事終わりのビールはマジで美味いっす。 ピザ食べて下さいね」 「ありがとうございますっ!」 何を話せば良いのか分からず、とりあえずビールを口に流し込み、瑚渡さんにピザを勧めた。 嬉しそうにピザを頬張る瑚渡さんを見て、ピザを選んで正解だったと、少し嬉しくなった。 槇途と結愛さんは仕事の話やら他愛ない話で盛り上がっている。 ・・俺も色々話しなきゃな。そう思い、瑚渡さんに質問を投げかけることにした。 「休日とか何してるんすか?」 「ショッピングが多いですかねぇ。  よく、どこ行きます?」 「んー、ショッピングモールとか商店街とか多いよ」 逆に質問を投げられ、何も考えていなかった俺は素直に、思い出したよく行く場所を答えた。 一瞬目を丸くした瑚渡さんは、 「ぇ、銀座とか行かないんですか?車持ってないんですか?」 多少小馬鹿にしたような物言い。 ・・あまり好きでない。 「んー、滅多に行かないっすね。 車は持ってるんで、ドライブとかは行きますよ」 少し苛立ったのを隠して普通に答えた。 「車種はなんですか?」 ・・え。なんだろう。  大したものじゃなかったな。  ていうか中古だし。 「大したもんじゃないっすよ」 笑って答えてみる。反応が怖い。 「どれくらい年収貰ってるんですか?」 畳みかけて来るような質問。 ・・第一、初対面の相手に年収って・・・。
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