紹介

8/21
前へ
/85ページ
次へ
パフォーマンスが終わりを迎え、バーテンダーが器用にカクテルをグラスに注ぐ。 「さぁどうぞ!!」 バーテンダーにカクテルを飲むよう促される槇途と俺。 仕方なく、バーテンダーのところに行き、結愛さんと瑚渡さんがいる方を向いた。 2人は近くまできて携帯で写真をとっている。 2人の方に微笑んだ後、一気にグラスのカクテルを飲み干した。 拍手され、良い気になって席に戻った。 隣の席に座ってくる瑚渡さん。 「翔胡くんかっこよかったょぉ!」 大きな瞳で見つめられ、少し心臓が跳ねたのはアルコールのせいだろうか? 「ありがとう」 「美味しかった??」 微笑み、返事をすると、笑顔で質問してくる瑚渡さん。 「おぅ。」 答えた時、目に入ったのは槇途と結愛さん。 2人の世界に入っているようで、俺達は視界に入っていないようだ。 瑚渡さんの耳元に自分の唇を寄せ、 「瑚渡さんにも飲ませたかった」 と、低い声で囁いてみた。 耳が弱いのか、少し顔を赤くする瑚渡さん。 「翔胡くん・・」 上目遣いで見つめられる。 瑚渡さんから目線を逸らし、ビールを飲んだ。 ━トン━ 肩に伝わる少しの重み。 瑚渡さんが俺の肩に頭を預けている。 眠くなったのだろうか? 瑚渡さんの体制がキツそうに見え、瑚渡さんの腰に手を回し、自分の方に引き寄せた。 密着した状態の為、心音が聞こえてしまいそうだ。 「翔胡くん、瑚渡・・・」 ━ピリリリ━ 瑚渡さんの声は、瑚渡さんの携帯によってかき消された。 俺から身体を離し、 「ちょっとゴメンね」 そう言ってから携帯に出て、お手洗いの方に向かう瑚渡さん。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加