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俺の胸に頭を埋めてくる瑚渡。
「ちょ、ぇ、ここに住むって事?」
頷く瑚渡。
「彼氏に追い出されたのか?」
予想は出来たが確信に迫ってみる。
頷く瑚渡。
「ソイツの事好きなら帰れば良いだろ」
やっぱりか、とは思ったがイライラした俺は言葉を吐き捨て、瑚渡の身体を自分から離して立ち上がり、瑚渡から離れた。
「そこ使って良いから、今日はそこで寝な」
そう言うと、
「帰りたくない・・ もう好きじゃないの・・・」
そう言って、泣き出す瑚渡。
「俺を利用したいわけ?次の住むとこ決まるまで」
ベッドに座り、意地悪に返事を返す。
「翔胡が好きなの・・・」
俺の所に駆け寄ってくる瑚渡。
「俺のことなんも知らねーじゃん。 年収とか気になるんだろ? 金あるやつが好きなんじゃねーの? 嘘言うなよ」
気になっていたことを吐き出す。
アルコールが抜けてきたんだろうか。 冷静に頭が働き出した。
「嘘じゃない・・ 翔胡助けて・・ 側に居て・・ 翔胡が望むこと、何でもするから・・・」
そう言って、俺にしがみついてくる瑚渡。
「結愛さんには頼れないわけ?」
冷たく、言葉を放つ。
「翔胡と居たい・・・」
瑚渡の気持ちが見えない。女の考えは訳が分からない。
俺は俺で、どうしたいのか分からない。瑚渡は、欲しい。でも、瑚渡の気持ちが俺の知らない男に取られているなら、優しくできない。
槇途ならどうするだろうか?
「本気にさせりゃ良い」
・・そう言うだろうな。
目の前の瑚渡は俯いたまま。
少し言い過ぎただろうか?
「とりあえず、シャワー浴びて来いよ。」
そう言うと、潤んだ瞳で、俺を見つめてくる瑚渡。
瑚渡と同じ目線に体制を変え、
「後で話し合おう?」
そう言うと、
「翔胡・・・」
涙を流し、俺を見つめてくる瑚渡。
「ほら」
瑚渡に手を差し出し、シャワールームに瑚渡を連れて行く。
「着替え、俺のジャージしかないけど我慢してな?」
「ありがとう」
瑚渡の返事を聞き、ソファーに戻り、テレビを付けた。
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