関係

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ステーキハウスに着き、注文を済ませた。 「翔胡。」 「ん?」 顔を強張らせ、俺の名前を呼ぶ瑚渡に、何を言われるんだろう、と思った。 「私、翔胡の彼女だよね?」 ・・そう来たか。 ・・どうしよう。 彼女とはまだ思っていないのに。 気持ちの整理が全く出来てない。 「そうなんじゃん?」 曖昧に答えるしかなかった。 「え・・・?」 目を丸くしている瑚渡。 悲しそうな表情。 「瑚渡は俺のもんだから心配すんな。  ちょっと水取ってくるわ」 不安げな表情をした瑚渡を残し、席を立った。 これ以上何も言われたくなかった。 ・・俺の言葉を、気持ちを、求めるなよ。
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