関係

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「はい」 水の入ったグラスを瑚渡の目の前に置く。 「ありがとう」 少し微笑んだ瑚渡はまだ悲しげな表情。 机の上に置かれた瑚渡の携帯が、誰かに連絡したことを物語っていた。 「家帰ったら片付けするか?」 「翔胡、疲れてないの?」 「片付けしないと明日俺仕事だしさ」 俯く瑚渡。 「明日も側にいて」 小さな声。泣き出しそうな、声。 「12時からだからそんな早く家出ないから」 「なら、今日帰ってから片付けしたくない」 ・・・意味分かんねぇ。 俺の仕事と片付けがどういう関係があるというんだ。 「なんで?」 「翔胡の事、沢山知りたいの。  ねぇ、どうしても休めないの?」 ・・溜め息が出る。 仕事を簡単に休める訳ないだろ。 それも、瑚渡の為に。
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