すれ違う心

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接客と契約を続け、漸く休憩に入ることが出来た。 量販店のバックヤードにある食堂で日替わり定食を頼み、席に着いた。 お腹が空いていた為、直ぐに食べ終わり、携帯を開く。 [受信メール2件] ディスプレイの表示を見て驚く。 メールはどちらも瑚渡からだった。 [メールありがとう(*^^*)仕事頑張ってね(*'▽'*)翔胡だぁいすき( ´艸`)] [翔胡の職場今から行きます(*^▽^*)] ・・・えぇ?! 瑚渡が職場に?! 場所は?分かるのか? ・・槇途に聞いたのかもしれない。 椅子から勢いよく立ち上がり、バックヤードを慌てて走り抜ける。 ━ピリリリリ━ 自分の携帯の音に立ち止まり、携帯を慌てて開く。 [着信 雨帷] 「もしもし」 「おぅ。 昼飯食べ終わった??」 「食べ終わった」 「お前彼女いたんだなー」 笑って“彼女”と言う単語を出した雨帷。 「はっ?」 「彼女、今売り場来てんぞ?」 「いや、彼女じゃねーよ」 「は?どういう関係?翔胡の彼女て聞いたけど」 「彼女だと思い込んでるだけだって。とりあえず向かうから適当にあしらっといて」 雨帷の返事を聞くことなく、終話ボタンを押し、売り場への道を急いだ。
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