すれ違う心

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売り場のバックヤードに入り、ラピッ○を操作していると、 「瑚渡ちゃん可愛いなぁ。」 そう話掛けてくる雨帷。 「気に入った?」 「あれだけ美人なら、まぁなー。」 瑚渡を思い出してか、柔らかく微笑む雨帷。 「そっか」 「なぁ。瑚渡ちゃんに本気じゃねーの?」 「本気ってか、好きでもねーよ。」 「マジで言ってんの?」 「おう。」 ラピッ○の操作を終え、開通処理も終わらせた俺は、そう言い残して売り場に出た。 瑚渡のことを雨帷に話す気になれなかった。 雨帷が瑚渡を気に入っていることは、一目瞭然だ。 ・・まだ、渡す気にはなれない。 渡したいかもしれない。 自分の気持ちが不安定なのは 正直、どうして良いのか分からない。 ただ、雨帷が瑚渡の名前を呼ぶと気持ちが落ち着かなかった。
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