すれ違う心

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「おい。」 量販店の裏口から出た俺に向かって話掛けてくる男・・ ・・・煢だった。 「あ、どうも。」 軽く煢に会釈する。 「瑚渡が、男と居たが・・  どういうことだ?  お前と一緒に働いてる奴だったが?」 明らかに、怒っている、煢の口調。 「今から2人とこ行くんすよ。」 「お前本当に瑚渡に本気なのか?」 胸倉を掴んで来た煢に 「そっちこそまだ未練あるんすか?」 「うるせぇ」 睨みを利かせた瞳。 悲しみで揺れた瞳。 本当に瑚渡を好きだという気持ちが伝わってくる。 こんな俺が瑚渡の側に居ても良いんだろうか? 煢のように瑚渡を好きで居られないのに。 まだ、好きと自覚もしていないのに。 「瑚渡傷付けたらぶっ飛ばす」 それだけ吐き捨てて去った煢に 何も返事出来なかった。
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