すれ違う心

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隣にいる綾萌の方に視線をやった時に、目の端に入った雨帷の姿。 雨帷に視線をやり、綾萌に気付かれないよう、小さく片手を上げた。 悪いな、という気持ちを込めて。 「どうしたの?」 不思議そうな顔をしている綾萌。 瑚渡とは違った、瞳。 「いや? どこ行こっか?」 「翔胡が決めて良いよぉ」 綾萌の言葉に、個室のある居酒屋に決めた。 「そういえば、この辺りで働いてんの?」 気になった事を聞いてみる。 「うん。 私、星武のインフォメーションで働いてるんだ」 「マジか。インフォメーションの服装してる綾萌見てみたいわ」 「えっ、はっ、恥ずかしいよっ!!」 顔をほんのり赤らめる綾萌。 綾萌のこの表情は、昔から好きで。 大人っぽくなった今は、色気も含んでいた。 「翔胡は職場どこ?」 答えると、嬉しそうな顔を見せる綾萌。 ・・職場が近くて良かった。 目的の居酒屋に着き、綾萌の手をさり気に掴み、店内に入った。
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