すれ違う心

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「んっ・・  んぅ・・・」 綾萌の甘い声が俺の耳に響く。 綾萌の身体に直接触れる。 少しの抵抗も見せない綾萌。 白くて柔らかな素肌に心臓が跳ねる。 優しく、その素肌にキスを落とすと、顔を赤らめる綾萌。 ・・凄く、可愛い・・・。 ━ピリリリリ━ いきなり響いた俺の携帯の着信音。 バッと俺から顔を背け、身体を隠すように手で覆う綾萌。 「綾萌」 名前を呼んでもこちらを向いてくれなくなった綾萌。 少し苛立ちながら、携帯をスーツから取り出し、着信相手を確認する。 [着信 瑚渡] ・・溜め息が出る。 「綾萌?ちょっとゴメン、待ってて?  上司から連絡だわ」 「うん」 俺の嘘の言葉に小さく頷いた綾萌の声を聞き、部屋の外に出た。
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