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ちょうど真正面にきれいな湖。
その湖の向こう岸には森林。右も左も森。
後ろには開けた空間があるのか、
ちょうど真ん中あたりで木が途切れて道になっている。
進入ルートはそこしかないようだけど、服が濡れているから
多分じゃなく確実に湖からここに来たんだろう。
ちなみに湖は澄んではいるが、そんなに浅いとも思えない。
陸にあげてくれたのが少年たちだとしても、
そもそもどうやって湖に入ったのかは不明。
奥の森から入るにしては木々の間隔が狭い気がする。
むしろ密集しすぎてよく成長したなって思うくらい狭い。
結論。記憶になし。
「…うん、どこだろう、ここは」
呟いてみて、ますますわからなくなる。
ほんとここどこだろうか。
「…ほんとに記憶にないんですか?」
「あ、復活した」
「別に僕は死んででいませんよ」
いや、知っているよ。
ジョークジョーク。HAHAHAHA☆
・・・うわサムイ。
「ていうかさ、私誰?」
「え?」
「ねぇ、誰?」
「聞かないでくださいよ」
「私エア、記憶喪失なの」
「解っているじゃないですか」
9割冗談で言葉をぽんぽん放る。
少年は律儀に拾ってくれた。超いい子。
そしてすごい冷静な子。
「なるほど、貴方はエアですか」
「ぽいです」
とりあえず、自分の名前はわかりましたとも。
少年が聞きなれない名前ですね、
なんて真剣に自分のことを考えてくれている間に、
なるほど、エアかー。なんて暢気に名前を心で復唱してみた。
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