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「…怪我はありませんか?」
「怪我…あ、怪我?うん、ないかな」
寝転がったままだったから、起き上がってぴーす、と
ブイサインを作る自分を、そうですか、と
物珍しいものでも見るみたいに少年は見ていた。
声からするに少年なんだろうな。すんごい可愛いけど。
世の中は不思議だなんてよくわからないことを考えた。
そのままのよくわからない思考の流れでそういえば、と疑問に思う。
寝転がったままだったら何も思わなかったけど、
何でこんなところに寝転がってたんだろう。
起き上がってみたら服が少し濡れているのか、少し涼しいし。
「ねえ少年」
「僕ですか?」
「うん。君。あのさ、アタシ、何でここにいるの?」
「知りま…え?」
そうたずねると少年は、何か、多分知りませんとかそんな言葉を言いかけて、
きょとんとした表情をして見せた。
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