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「今日はバスケ部の方に出るの? それともオカ研?」
「……後者かな。っていうか、これから忙しくなるだろうからってバスケ部は先月の時点で辞めたんだけど」
……結香先輩が重傷を負ってから一月が経った。最近は魍魎などが増えた為にその駆除をしていた私は、運動部との両立は厳しいと考え退部届けを出した。
「あら、そうだったの。最近はオカ研にずっと来てたからどうしたのかなって思ってたんだけど、バスケ部辞めちゃったんだ……勿体ないわね」
一つ目のパンを食べ終わった桔梗ちゃんが二つ目に手を伸ばす。
「勿体ないって程のものでもないと思うんだけど。凄いやりたくて仕方なかった、なんてことはなかったし」
バスケ部なら人が沢山いるし、夜遅く……丁度魍魎が沸いてくる時間まで校舎にいても不審に思われないと思ってのことである。
「東雲先輩はやっぱり引き止めたんじゃない? あの先輩って幼なじみでしょ」
「いや、あっさりと認めてくれたよ」
和ちゃんは私が退部届けを出した理由を知っているから、なんて心の中で付け加えると桔梗ちゃんは目を見張ってみせた。
「あら意外。足にしがみついて『やめないでぇ……』なんて泣くんだと思ってたんだけど」
「それは……まぁ状況によってはあるかもね、うん」
厳密に言えば、割合はそちらの方が高いのだけれど一つ年上の幼なじみの為にも黙っておくことにしよう。
「アハハハハ! 本当に君たちって面白いなぁ。何だか笑っちゃうよ……あ、貶してる訳じゃないのさ」
唐突に笑い声を上げた直葉ちゃんは、相変わらず目元は見えないんだけど口元がにやけているのが分かった。それにしても何がそんなに面白いのだろうか、普通のやり取りだと思うんだけど。
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