巨人は翔び、天女は謳う。

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『システム・レイン起動、目標ロックオン。 追尾式ミサイルポッド開放、発射!』 直後、ヴァンキッシュ・改の各部位が開き、そこからミサイルがまさに雨霰のように発射された。 それらは岩の弾丸を全て撃墜し、土の精霊が操る傀儡に降り注ぐ。 着弾、そして爆発。 聖霊の森に炎の花が幾つも咲く。 だが…… 『チッ、精霊本体は傀儡から離脱して新たな傀儡を作るか……!』 しかも今度のは風の精霊もいるのか土傀儡共が不可視の力でヴァンキッシュ・改と同じ土俵、即ち空中へと滞空しているのだった。 総数は目測で二十ちょい。 『二十、二十ねぇ………俺とヴァンキッシュ・改に傷を与えたくばその五倍は持ってくるんだなぁ!!TBB起動!』 俺が指示を出した直後、ヴァンキッシュ・改は人型形態に変形、そのの肩部のテンペスト・バレット・バレットが起動する。 大口径レーザー砲が標準を定める。 『どーん。』 撃つ。 二条の光は相手が反応する前に土傀儡を薙ぎ払う。 『残り十五!』 手に持つスターライト・ヴァリスタも連射して順調に撃墜して行く。 と、残り数体というところでヴァンキッシュ・改の背後に敵反応。 振り返る時間はもうない。 土傀儡の拳がヴァンキッシュ・改の背中に突き刺さる…… 事はなく、両肩の大口径レーザー砲の『内側に』隠れていた二門の中口径レーザー砲に土傀儡は穴を穿たれていた。 『テンペスト・バレット・バレットってバレットを二回言ってるんだ。 レーザー砲は計四門あんだぜ?』 結局、二分とかからず全滅させたのだった。 だがこのままだと復活、撃墜、復活とループするので一旦聖霊の森から離脱したのだった。
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