巨人は翔び、天女は謳う。

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定期連絡の時間です。 『ガルトさーん、こちらユートですもしもしー?』 『おやユート君、早速何か分かったかい?』 『えぇまぁ。 まず最初に、今回のターゲットであるフィラデルフィア=アーヴァーン、本名フィラデルフィア=スピリオンは人間と精霊のハーフにして精霊達の国、スピリオンの王位後継者第一位です。』 『……………。』 ガルトさんは沈黙しているが構わず報告を続ける。 『どうやらフィラは精霊王フィーデルノースが人間界で人間の女性との間にできた子供ですね。 そもそもスピリオンでは魔力体だった精霊が実態を持つことができ……『御託はいらん、フィラがスピリオンとやらに行った理由を話せ……。』い、イエスサー。』 怖っ!声だけで俺をビビらせたのはティアラママ以来です。 『えー、では。 直前までのフィラの様子と集めた情報を統合して鑑みるに……どうやら強くなりたいみたいです、俺と同じくらいに。』 人それを無理ゲーという。 『強く、とな?』 『ええ、言質も取れましたし。 別に天姫の祈りを見限ったとかそんな感じじゃあなさそうですね。』 『そうか………うむ、ご苦労じゃったなユート君。』 『いえいえー。』 俺は念話を切って一息つく。 多分ゴキノコリンチの時に自分が俺の主として相応しく無いとか思っちゃったんだろうな。 で、その時ちょうどのタイミングでスピリオンからお前の本当の力とか書かれた手紙が来たから誘いに乗った……ってあたりか。 その向上心はとても素晴らしいと思うが…… 『場合が場合なんだよなぁ……』 俺はラジコンが映す『最上階』の映像を見てそう呟くのだった。
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