巨人は翔び、天女は謳う。

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ようやくお呼びが来たのでソルフィだかなんだかをヴァンキッシュ・改で踏み潰し、渾身の綺羅星!ポーズ。 決まった……!! 「ユートさん……私……」 『皆まで言うな、状況も理由も把握している。 それ故に問おう。 ………俺が鍛えるという選択肢はなかったのか?』 「それは……」 まぁいい、それよりも…… 『フィラ、周りの奴らは俺が止めてやっからお前はこいつの相手だ。』 ヴァンキッシュ・改の足をどけると同時に燃え上がる白い炎。 まぁ踏み潰しただけで倒れるとも思えんし。 『本当に強くなりたいならこの聖霊ソルフィを自分の力だけで調伏してみな。』 実戦に勝る経験は無しってな。 それに周りの精霊共はどうあってもフィラを精霊にしたいらしい。 俺はフィラとソルフィのみを囲うように結界を張ると、続々と現れる土傀儡や戦闘態勢に入る精霊共に向き合い…… 『行くぞ精霊共、武器の貯蔵は充分か!!』 肩のTBBで近くの土傀儡を撃ち抜いた。 私は今、轟々と燃え盛る白炎の女性と対峙していた。 「私が……あの聖霊を……。」 昨日、図書室の司書の方が持ってきた本の中に書いてあったが、聖霊とは長い間生きて来たことにより、神力を纏うようになった精霊のことを指すらしい。 つまりあの聖霊は神の力をも扱えるということだ。 「でも!」 だからなんだ。 私の使い魔の方がきっと強い。 なら私だって負ける訳にはいかない。
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