巨人は翔び、天女は謳う。

17/63
前へ
/1051ページ
次へ
相手は神の力を持つ聖霊。 対するはただ一人私のみ、誰も助けには来てくれない。 「やるしか……ない!!」 私はここに来て得た新たな力、精霊が用いる大自然の力を借りる術、霊術を四肢に纏わせる。 「ふっ!!」 先手必勝、レイセンさん達直伝の三つの戦法のうち、レイムさんに教えてもらった「敵を無効化する技術(その後拷問)」に従い、聖霊ソルフィの背後に回り込んで首筋に蹴りを放ちつつ、さっきユートさんが私に念話で伝えた事を思い出していた。 【よーしフィラ、時間がないから聞いているだけでいい。 今お前が対峙しているのは聖霊ソルフィ本人じゃない。 聖霊ソルフィが精霊達の願いを聞きいれ送った力の一部だ。 そして聖霊ソルフィは結構遊びが好きなところがあってな、自分に挑む者は全力で叩き潰すが勝った者には己の力を貸してくれる事もあるらしい。 …………欲しいとは思わないか?神力を得るに至るまで強くなった聖霊の力。 方法は簡単、力の一部と戦って聖霊ソルフィに興味を抱かせるんだ。 そうすればきっと本体がお前の前に現れる。 それに勝って聖霊ソルフィに認められろ。 そして最後に。 もしも聖霊ソルフィに勝ったなら………】 確かに彼はこう言ったのだ。 今度手合わせしてやるよ、と。 「あなたに恨みはないけど……勝たせてもらいます!!」 私は蹴りを放ったことで前につんのめった聖霊ソルフィに攻撃の手を休めず、聖霊ソルフィの喉に貫手を放つ。 これはサクヤさんの「相手を即死させる技術」だ。 使う機会はないと思っていたけど相手が力の塊ならば遠慮はいらない。 殺すつもりで戦う!!
/1051ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40690人が本棚に入れています
本棚に追加