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「さ、先程は失礼を働き大変申し訳「いや、気にするな。」は、はぁ……。」
「んなことよりまだやる気か?精霊王。」
ユートさんの視線に先には私の本当のお父さんである精霊王フィーデルノースが。
「……………フィラデルフィア。」
わ、私!?
「お前の意見が聞きたい。
……お前は、精霊王の娘だ。
ここで暮らせば何不自由ない生活が送れる。
それに聞いた話ではお前は人間界のガクエンという場所で迫害されていたそうではないか!!
それでも、それでも人間界にとどまりたいというのか!?」
感情を露わにして私に訴えかける精霊王。
ソルフィが怯えるように私にしがみついてくる。
私はそれを大丈夫だよ、と言いながら撫でてやり、
「お父……さん。」
話す。
私の意思を。
一人だったら私は他人の意見に流されるがままだったろう。
でも今は違う、いろんな友達ができたし何より、世界中の誰よりも頼れる使い魔がいる。
ユートさんの方を向くと、彼は何もかもを見透かしたかのような表情で
「言ってやれフィラ。
俺はお前の剣であり盾である、地獄の果てまでお供してやんよ。」
その言葉で覚悟が決まった。
「お父さん。
私は……私は生まれが何であれ、本当の身分が何であれ、天姫の祈りで育ち、生きて来ました。
だから、私の、私にとって家はあそこなんです。
それに、確かに私は学園でイジメられていました。
でも、今は違う。
頼れる使い魔と契約して、いろんな友達もできて、いろんなことをしました。
私は今十分幸せです。
これ以上は望んでない、今のままで生きていきたいんです。
どんな煌びやかな暮らしよりも、どんな高い地位よりも、私はあのギルドで、ギルドマスターの娘として、生きていきたいんです。
だから……だから、私は例え半分精霊でも、人間として生きていきたいんです。
だから、ここに住むことはできません。」
言った。
ユートさんは笑みを浮かべている。
リリアンさんやお父さん達精霊の人たちは無言。
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