九番目

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「親父さんが言ってたじゃんか。聞いてなかったのか?華澄」 ただ単に情報通の華澄の父親から聞いていたからだ。 「嘘でしょ!?いつ話してたの?」 「あーっと、確か一番最後に言われた気がする。」 煉はしっかり者の華澄にしては珍しいな、と思った。 (ヤバい。最後の方は緊張して全然聞き取れてなかった…煉に悟られない内にっ) 「そんな事より、早く湖に行きましょ!!」と嫌な流れを断ち切ろうとするも 「あれ?お前どうやって水汲むんだ?」 「何言ってんの?煉。そんなのこの桶を使って汲――― って桶持ってない!?なんで!? さっき落とした?」 華澄は、持って来た筈の桶を探し始める。 「いや、違うと思うけど。だってお前さ、最初から手ぶらだったぜ?」 「最初から言いなさいよーっ!! あっーーもう、取りに帰るわよ!」 と、振り返ったその時。 華澄の視界に、真っ赤に燃え盛る炎が映った。本来その視線の先にあるのは、煉達の村。と言うことは…
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