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「親父さんが言ってたじゃんか。聞いてなかったのか?華澄」
ただ単に情報通の華澄の父親から聞いていたからだ。
「嘘でしょ!?いつ話してたの?」
「あーっと、確か一番最後に言われた気がする。」
煉はしっかり者の華澄にしては珍しいな、と思った。
(ヤバい。最後の方は緊張して全然聞き取れてなかった…煉に悟られない内にっ)
「そんな事より、早く湖に行きましょ!!」と嫌な流れを断ち切ろうとするも
「あれ?お前どうやって水汲むんだ?」
「何言ってんの?煉。そんなのこの桶を使って汲―――
って桶持ってない!?なんで!?
さっき落とした?」
華澄は、持って来た筈の桶を探し始める。
「いや、違うと思うけど。だってお前さ、最初から手ぶらだったぜ?」
「最初から言いなさいよーっ!!
あっーーもう、取りに帰るわよ!」
と、振り返ったその時。
華澄の視界に、真っ赤に燃え盛る炎が映った。本来その視線の先にあるのは、煉達の村。と言うことは…
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