225人が本棚に入れています
本棚に追加
「無理に頑張れとは言わないけど、沖田くんを信じてみれば?
嘉奈ちゃんなら、大丈夫だよ」
――信じる。
それは、大切なこと。
多分あたしが晴馬を“好き”という事実より、“信じる”ことの方が、きっと大切だ。
大丈夫。あたしは晴馬を、信じられる。
全て吹っ切れたあたしは、先生に笑顔を向けた。
「ありがと、先生っ!
流石長く生きただけあるね」
「うっさい、あなたたちとそんなに変わんないわよ」
最後に笑い合い、もう一度お礼を言ってから、保健室の扉を閉めた。
「……ふぅっ」
時計を見ると、一時限目が終わりそうな時間だ。
晴馬、心配してるかな。
あたしは弾んだ足で、教室へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!