可愛いあの子

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教室はガヤガヤと五月蝿く、いつも通りだ。 扉を開けて、真っ先にごとちんの席へ向かう。 「ごーとちん、おはよ!」 本を読んでいたごとちんは、顔を上げて、驚いた。 「遅刻とか珍しいじゃん。 寝坊?それとも保健室?」 「保健室~」 ごとちんはあたしが保健室の常連だということを、知っている。 「朝、沖田と一緒じゃなかったからビックリしたよ」 「……あぁ…」 ちらり、晴馬を一瞥した。 「そーなんじゃねーの?」 「はは、沖田くん面白ーいっ!」 クラスの女子と、会話を弾ませていた。 やっぱり、苦しくなる。 それと不安が、息を出来なくさせる。 晴馬が話してた女子は、クラスで一番可愛い子だったから。
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