幼なじみの距離

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「ごめん、また寝坊した!」 まだ何にも手を付けてないボサボサの髪。 女の子らしさの欠片もない。 いや、でも――。 あたしが例え、女の子らしくても、あたしを“女の子”としては見てくれないと思う。 それとも、女の子らしかったら、あたしを“女の子”として見てくれたのかな…? 「うん、だろうと思った」 自転車に乗ったままあたしを見上げる晴馬は、あどけなく笑う。 ――今日も、まだ大丈夫。 何回もこんな姿を見せてるあたしに、晴馬はあんな風に笑う。 イコール、まだ、あたしを突き放してはいないことが分かる。 ……“恋愛”って、数学に似てる。 数学が苦手なあたしは、“恋愛”ベタ。 どうしたら“両想い”というゴールに導いていけるのか、分からない。 どんな公式を使っていいのか、分からないんだ。 “恋愛”という感情を、あたしは晴馬に抱いている。 あたしはちっちゃい頃から、晴馬が好きだった。
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