幼なじみの距離

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それから15分で準備を終えて、晴馬へと駆け寄る。 あたしにとっての15分は、短い時間。 けどそこに晴馬が絡むと、「15分も……」と、時間が長く感じられる。 「ごめん、待った…よね?」 何を今更、と自分でも思う。 「んー。慣れてるから」 にひひ、と子供っぽい笑顔。 子供の頃から変わってない笑顔。 変わってないあたしたちの関係。 少しでも、動いて揺らめけばいいのに。 けど、変わってしまったら、遠くなってしまいそうで。 あたしは、そこから動けずにいる。
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