心の痛み

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ーーズキン… 何処も怪我をした覚えもないのに、突然襲ってくる痛み。 この痛みは何だろうか? 怪我はしていないし、至って身体は健康体だ。 なら、何だろうか? ーーズキン… また。 この心の臓に突き刺さる痛み。 この痛みを知ったのは確か、ワシが物心つく頃だった。 浚われて、父や母に会えないとわかった時。 戦場に出て仲間が死んだ時。 ワシが不甲斐なさすぎて大切な皆を失った時。 民が皆、平和な生活が出来ないと知った時。 豊臣を討たねばならなきゃいけなくなった時。 ワシはこの痛みに耐えた。 耐えて耐えて耐え抜く。 ワシにはそれしか出来ないから。 「家康ぅっ!!何故俺達の子分をっ許さねぇ!!」 「…ッ元親……。」 ーーズキン…! 痛い。痛い。 しかしまだ耐えられる。 いつの間にか、ワシはこの痛みに耐えられる様になっていた。 …だが何故だろうか? 「家康っ!!私は貴様を許しはしない!!斬滅してやる」 ーーズキン…ーーズキン…!         ーーーズキン!! 「サヨナラだ!!三成、石田三成ぃぃぃぃぃ!!!」 お前の時だけ、耐えられないほどに痛むのだろう。 痛い。痛い。痛い痛い。 心の臓の鋭い痛み この痛みは何だろうか? .
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