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「いいから、まず部屋に入れろや」
夏月はいい加減、外の暑さにうんざりだった。
「あ、ごめん」
冬樹が体を横にむけ、扉前のスペースを空けた。
「おっじゃましまーす」
「しま~す♪」
中に入って、一歩目。
そこで、夏月は愕然とした。
「広いな、おい……」
春日も感嘆の声を漏らす。
「これなら廊下も走るわけだね~」
2メートルほどの幅の廊下がまっすぐ奥までに伸びているのだが、なんだか突き当たりの壁が遠い。
右の壁の手前にあるのは、冬樹の寝室の扉。
その対面にあたる左の壁には洗面所・トイレ・浴室の扉らしい。
廊下の先、左手にL字に曲がっているように見えるのはつまり、もっと先にも部屋があるのだ。
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