プロローグ

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なんの前触れもなく、彼は眠りから覚めた。 ……エアコンのタイマーが切れたのかな? 寝入る前よりも若干空気が暑苦しい気がして、そう思った。 それでもまだ眠気は完全には払われていない。 ぼんやりとした頭のまま、寝返りうった。 枕元に手を伸ばして、引き寄せた目覚まし時計の文字盤に目をこらす。 二時半。 真夜中。 丑三つ時。 起床時間にはほど遠い。 「はぁ……」 タオルケットをかぶりなおし、再び眠りにつこうとした時、耳慣れない音が六畳の洋間に届いた。
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