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「ぅ~ん、やっと着いた~……」
ばん、と助手席のドアを閉めて、妹が空に向かって伸び上がっている。
「一仕事終えたようなツラすんな。ずぅっと隣で気持ち良さげな寝息たててたくせして。俺なんか4時間運転しっぱなしって……って、聞けよコラ」
運転席の窓から身を乗り出して、夏月がもうその場にはいない妹に対して舌打ちした。
シートベルトの拘束がなくなったとたん、少しもじっとしていられないのか……!
騒音公害なほどに、セミがうるさい。
真夏だった。
嫌になるほど夏真っ盛りだった。
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