踏み出した一歩

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中学のときに、理科室で見たネズミのホルマリン漬けのせいで、ネズミが嫌いになっていたのだ。 そのせいで、どこかの猫型ロボットと、嫌いなものがかぶっていると、弟に笑われたこともあった。 (うわー…。思い出したくない思い出したくない) 弟の爆笑する顔が頭に浮かび、必死に手で振り払う国枝少年。 (…だいたい、この建物が古いから。だから、きしんだ音が聞こえたんだ) そう自分に言い聞かせ、国枝は階段を上った。 .
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