踏み出した一歩

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真新しい制服に身を包み、履き慣れていない革靴を履いて、鞄を手に提げながら、まだ慣れない都会の空気を吸い込む。 その日は、高校の入学式の日だった。 親の決めた学校には進まず、独断で勝手に決めた公立高校。しかも、場所は都内。家から通おうとなると、かなりの時間と交通費がかかるのだ。しかしそれは、俺には関係ないか、と国枝は首を横に振る。 (…当分家には、戻ることもないだろうし) そのために、寮が完備された学校を選んだのだ。後悔はしていない。 地面に散った桜の花びらを踏みしめ、国枝は校門をくぐった。
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