踏み出した一歩

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式が終わると、クラス順に教室へ戻る。これから、クラスごとにオリエンテーションが始まるのだ。 (…やっと、終わった) と、机の上に寝そべる国枝。 「おい、クニリン」 (……は?) 国枝は、知るか、と無視する。そんな国枝の肩を、無視された柴田は揺さぶる。 「おい、シカトすんなよ。おまえだよ。おまえ」 (…ウザいな) 「まぁ、いいや。おまえに、聞きたいことがある」 (何聞かれても、俺は答えないぞ) 「さっき、クラスのやつが話てるの聞いたんだけど、おまえ、その…」 と、ごにょごにょと、くぐもった声で何か言う。 それにたまりかねた国枝は、いらっとする。 そのままの体勢で、国枝が口を開く。 「聞こえない。はっきり言えよ」 まったく、と呆れていると耳元に、ふっと息がかかった。 「だから!その…。中学のときに女とヤッたって、ほんとか?」 (……は?) ガバッ!! 「アホか!!」 「おぉ?!」 いきなり起き上がった国枝の頭が見事に柴田の顎にヒットし、柴田は顎をおさえながら床に転がる。
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