第一ノ刻 ――ハジマリ――

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だが、心霊スポットに誘われるのは嫌いだ。 俺は自慢じゃないが、小さい頃から「そういうの」をよく視る。 霊感とかいうのが人一倍強く、高校二年生になった今は、何故か子供の時よりもこの「力」が強くなっている。 「だが断る!」 そういう力があるからこそ、俺はそういった「なにか」がある場所を嫌う。 周りの奴が俺を羨むが、その理由は微塵もわからない。 「じゃあ、明日行く場所決めようぜ。」 明日かよ! ていうか、さっきの俺の拒絶を無視して話を進めるなよ! 心の中で高志にツッコミみつつ、俺に拒否権が無いことを悟った。 「恵介くん可哀想。挫けちゃダメだよ。」 美紅が笑いながら俺を励ました。 ガラガラと開く教室の扉が、賑やかな教室を静まり返らせた。 「席ついて。ホームルーム始めるわよ。」 先生は来るや否や、生徒達を座らせる。 「起立。注目。礼!」 日直の挨拶と同じ行動を同じようにする。 まるで何かの儀式の様な不思議な光景なのかもしれない。と、心の中で呟いてみる。 「着席。」 ガタガタと椅子を引く音をたて、クラス中の生徒が再び席につく。 全員が座ったのを確認して、担任の先生が話を始める。 そして、無機質なチャイムの音を合図に、先生が話を終わらせた。 その後、いつも通りに授業を受け、昼を食べ、午後の授業を受ける。いつもと同じ繰り返しの輪の中を過ごした。 無機質なチャイムが6時間目の授業の終わりを告げる。 いつも通りの一日が終わった。 俺は教科書やノートをカバンに詰めて教室をでた。廊下には吹奏楽部の練習の音や、サッカー部のかけ声、バスケ部のホイッスルの音が響いている。 ふと、廊下の奥を見たときだった。 夕日の逆光でいまいちよく見えなかったが、そこには小学生位の女の子が立っていた。
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