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長野県の山間の高校。
その高校の美術室で新入生の真理は一人で絵を書いていた。
まだ入部時期では無いのだが、自ら足を運び頼んだら、先輩が快く了承してくれたのだ。
今イーゼルにかかっているキャンパスには青い空と海が描かれている。
『うん。やっぱり描く場所って大事。家で描いているよりいい感じ・・・描きかけの絵持って来てよかった・・・』
真理はそんなことを考えながら続きを描き続ける。
放課後の空はオレンジ色になり始め、優しい光を美術室へ注いでいる。
そんな優しい光が真理の黒い髪に降り注ぎ、あごまでのショートボブが淡い光を反射する。
その時、ガラガラと音を立てて美術室の引き戸が開かれた。
真理が振り返るとそこには真新しいブレザーに身を包まれた男の子が立っていた。
少しの間、時が止まったかの様にお互い見つめあった。
2人の物語が動き始める・・・
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