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紘斗は一瞬女の子と目が合い、次の瞬間に目に飛び込んで来た絵に驚いた。
青い空と海。白い雲とが描かれただけの絵。
それだけの絵なのに。
どこにでもありそうな絵。
それなのに目が離せなくなった。
力強く、粗削りだが才能に満ち満ちている者の絵。
紘斗は少女に声をかける。
「あの・・今年入学した小林紘斗っていいます・・平本さん・・平本先輩はいますか?」
女の子は目をぱちくりとさせて驚いた顔をしている。
大きな目がより大きく見える。
返事が無いので、紘斗は女の子に近づく。
「あの~。すいません・・・」
紘斗が近づくと女の子はガタッと椅子の音を立てて立ち上がった。
「あっあの・・平本さんなら・・ちょっと出てくるってお友達の人と・・・あの。あなたは・え、と。」
女の子はうろたえていた。
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