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「刃霧……」
沖田の口から出た『刃霧』の名前を
苦しげな表情を浮かべて言う山崎
…俺は結局、あいつに何もしてやれんかった
あいつは……今…どうしたいんやろうか…
「山崎さん?」
山崎が急に黙り込んだのを不思議そうに
沖田は名前を呼ぶ
「あぁ、……すみません!」
慌てたように謝る山崎に沖田は微笑みさえ浮かべて
「刃霧さんは…俺より…俺らより、くぐった修羅場の数が違います。多分、多分ですけど、今は…闘いの中にしか楽しみを見いだせなくなりつつあります、少し前の僕より酷い状態ですね」
微笑みながら紡がれた言葉に山崎は背中に冷たい汗が流れるのを感じた
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