壱 とある町娘からの依頼

2/51
前へ
/168ページ
次へ
「聞いてくれますぅ、刃霧さん?」 俺に甘味処の娘はそう、声をかけてきた 「聞きますから、これ、食べて良いですか?」 この手の切り出し方をするという事は話が長いに違いない 早いうちに食べてしまわねば直に夜になってしまう 「えぇですけど、刃霧さんって本当、甘いの好きですなぁ」 娘は呆れたように俺を見るが 甘いものが好きで何が悪い? 俺はその文句が口から出掛かっていたがどうにかこらえて 本当はゆっくり味わって食べたかったが 急いであんみつを喉の奥へと押し込んだ
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

496人が本棚に入れています
本棚に追加