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実は都会にいったら巽以上の格好いい人がいるっていうのは幻想だったのかっ!! と、いま落ち込んでるトコだったりする。 だいたいさ、オジサンな巽の事なんて忘れてやると思って東京にでてきたのに、二人暮らしっておかしいんだよね。 ますます好きなってる気がするのは、気のせいじゃない気がするんだけど。 掃除機かけてる姿も格好いい四十代。 あぁ、私病気だよ多分。 投げられたTシャツを洗濯機にいれようと立ち上がっると、バサバサと大きな音がする。 あれ? あぁ、机の上の片付けるものをまとめて膝の上においてあったんだった。 見事に扇状に散らばるノートや本や筆記用具。 「だからっ!てめぇは片付ける傍から散らかしていくのをやめろーーーっ!!」 ・・・・・そうなんだよねぇ。 何故か片付けをしてると、さらに散らかるんだよね。 「五月蝿いよ巽。細かいこと気にするとハゲるよ」 散らばった物をまとめようと筆箱を持つと中身がバラバラと散らばり、ペンが転がっていく。 あれ?また? 慌てて追いかけてペンに手を伸ばしてそのままバランスを崩してキャビネットに体当たりをしてしまった。 ドンと大きな音と共に頭の上から何かが落ちてくる。ヤバイと頭を抱えて小さく丸まった。 「柚っ!!」 巽の叫び声と、私の体が引っぱられるのとが一緒だった。 巽に手を引かれ、キャビネットから離れた瞬間に大きなもの音とともに上に飾ってあった写真立てがいくつも落ちていった。 びっびっくりした。
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