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その驚きように私がびっくりしていると和泉先輩の視線がコンビ二の入り口へと注がれる。 和泉先輩の口元が「嘘」といっているような形に動く。 私が入り口になにがあるのか気になって振り向く前に優しい声音が私の名前を呼んだ。 「柚」 よく知るその声は入り口のほうから聞こえる。そのまま私は振り向いた。 そこには相変わらず値段の高そうなものに身を包んだ、奏さんが立っていた。私でもびっくりするほどコンビ二の店内が似合わない。 優雅な仕草や醸し出すおっとりとした空気がそこだけ別世界のように切り離されてみえる。 「奏さんっ!こんばんわ。どうしたの?」 近づいてきた奏さんは、ふんわりと笑うと私の頭を引き寄せて頭の天辺にキスを落とす。 小さい頃からの奏さん流挨拶は私にくすぐったさをもたらすんだ。 「家に行ったらこっちだって巽さんが教えてくれたから、迎えにきたんだよ。でもお邪魔だったかな?」 にっこりと和泉先輩を見る奏さんの言葉に私は慌てて首を振った。 「違うよっ!バイトと大学の先輩の和泉さんだよ」 そうだ、和泉先輩と一緒だったんだ。慌てて和泉先輩を振り返ると、驚いたように奏さんの顔を凝視していた。 「和泉先輩?どうしたんですか?紹介しますね?こちら坂野 奏さん」 「初めましてこんにちわ。いつも柚がお世話になっています」 奏さんが握手を求めて右手を差し出しても和泉先輩は、ジッと奏さんを見つめている。 「あの・・・・・先輩?」 恐る恐る声をかけると、先輩はハッとしたように私を見てから、ピッと背筋を伸ばした。
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