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無視したい。 切実に聞かなかったことにしたい。 ・・・・・・できるかっ!! 私はそっと奏さんの後ろに回り奏さんを盾にするように顔を出して、和泉先輩を上目遣いに見た。 「・・・・・・和泉先輩、ひょっとしてこっち系の人??」 左手の指をそろえて立てて、右の口元に添える。 そう、いわゆる女王様とかが笑うときにやるオホホのポーズだ。 真っ赤だった和泉先輩の顔が強張り、一気に青くなった。 やばっ!怒らせたかな?失礼だったか。黙ってきかなかった事にすれば良かった。 だって、やっぱり内股きになるんだもんっ!! 今度はゆっくりと笑顔になると、奏さんを見た。 「すいません。ちょっとこの子お借りしますね?」 えぇぇ!!借りなくていいからっ!! 私がそういうより速く和泉先輩は私の首にエルボかけるように引きずりながらコンビ二の外へとでた。 駐車場の端まで連れてくると、危険な笑みを浮かべている。 えぇぇ!!奏さんっ!なんであっさり私を売り渡すんだよーっ!! 「バレたんならしょうがないわ。でもね、いいこと、あたしはオカマじゃないわよっ!オネエよっ!!」 腰に手をあてて、ふんぞり返るように背筋をのばして高らかに言われた。 あぁ、なにかが私の中で崩れていく。 少しだけ、ほんの少しだけ格好良いと思ってたのに。 思わず恨めしい目で和泉先輩を見てしまった。 いつもは猫被ってたというか、演技してたって事か。 爽やかさ振りまいてたくせに、言葉遣いが全然爽やかじゃないじゃないか。 だいたい、オネエとオカマに違いがあるの?
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