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「減らず口叩いてると実力行使するわよ」 低い声でボソリと呟く蒼は魔王の如く暗い笑みを浮かべている。 こっこわくないもんねっ! ウチにはもっと恐い魔王がいるんだからっ! 思わず身構えると、遠くから私を呼ぶ声がした。 「柚、時間かかるの?もうそろそろ帰らないと巽さんから電話かかってきちゃうよ」 コンビ二の入り口でこちらを見ている奏さんは三割増しで格好よく見える。 神の助けだっ!! 「じゃっじゃぁ、蒼。私行かなきゃ」 うわぁ、格好悪っ!声がうわずっちゃったよ。だって、なんか異様に迫力あるんだもん。 「あら、逃さないわよ。アンタの部屋に行くっていったでしょ」 逃してくれないらしい。 「えぇーーー」 「あら、不満そうね?やっぱり実力行使かしら」 「ちなみに実力行使ってなにするんですか?」 「あら、そんなのお楽しみよほら、行くわよ奏様お待たせちゃ失礼でしょっ」 さっと表情を整えると背筋をピンッと伸ばしてさりげなく私の肩を抱いた。 ぎょっとして手を払おうとすると肩に蒼の指が食い込む。 っ痛いって! 小さな声であまり口を動かさずに私に怒る。 「だから、恋人同士だって言ったでしょ。ホントに頭の悪いこねぇ」 いや私、納得してないし。
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