いち

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バンッと机を叩くと思いのほか大きな音をたってしまい、私は驚いて一瞬何をいいたかったのか忘れてしまった。 いや、駄目だ。ここで挫けてはいけない。 「だから、こんな田舎で一生を暮らすなんてイヤだっていっとっと!」 「あぁ??田舎のどこが悪いっ!!綺麗な空気、綺麗な海、緑に田んぼどこが悪いんだっ!」 大声で私に負けずに机を叩いて睨みつけるのは父の和臣だ。 「それが嫌だっていっととよ。もう、合格もしとう。お父さんがなにを言ってももう行くけんね」 「巽っ!!てめぇ、この間東京に連れってた時受験させやがったなっ!」 お父さんはソファに座ってタブレット端末でネットサーフィンをしている同居人の叔父、巽に矛先を向ける。 巽は顎をさすりながら、振り向いた。 「柚が東京行きてぇっていってんだからいかせりゃいいだろうが」 流石、巽!いつでも私の味方をしてくれる。 「誰が金払うんだよっ!大学の費用ならともかく一人暮らしなんかさせられるか」 「おばぁちゃんの家に住まわせて貰うからよかとっ」 もう、了承済みだし。楽しみに待ってるって言ってくれたしね。 「なにがよかとっだよ。駄目に決まってるだろうっ!!だいたい、お前のおばぁちゃんじゃないだろうがっ!あそこは巽の実家であって、赤の他人っ!迷惑かけるなっ!!」 「なにがっ・・・・え?お父さん今なにをいいよったと?」 赤の他人言わなかった? だって、巽はお母さんのお兄さんでしょ?そしたらおばぁちゃんはお母さんのお母さんで・・・・あれ?
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