105人が本棚に入れています
本棚に追加
(イヤだ。こんなの絶対にイヤだ)
それでも、身体の深部がそんな自分を奮い立たせる。
(こんな場で遣られてなるものか!!)
私は何故か、もう一度意識を取り戻した。
そうは思っても、状況は全く判らない。
(私は何故、此処に居るの? どうしてこんな目に遇わなくちゃいけないの? 私に一体何をしたいの?)
でもその答えは一つだ。
それは勿論レイプのはずだった。
そう考えた途端、又もや襲って来る恐怖心。
私はがむしゃらに手向かうしかなかった。
(さっき乳首だった。えー、次はきっと?)
その恐ろしい考えに全身に震えが来る。
私はそれでも何とかしようと頑張った。
とりあえず体にあたる手を数える。
合計……、六本。
つまり、三人か?
パニクってる頭で何を考えているんだろ。
そんなことより今は精一杯の反抗。
私に出来ることはそれだけだった。
多勢に無勢……
無駄な努力かも知れないけど。
場所は……判らない。
多分新宿の何処か……
私はさっき、新宿駅東口前で拉致されたばかりだったのだ。
何がどうなっているのかさえも判らない。
私は何故こんな場所にいるのだろうか?
体を捩りながら必死にあらがう。
だって、こんな男達にくれてやるためにヴァージン守ってきた訳じゃない!!
でも本当は守った訳でもない。
過疎の進んだ田舎だから若い人がいないだけ……
そう……
私はそんな場所から、今日初めて東京に出て来たんだ。
私の田舎は海に面した、もうじき蟹漁が解禁される村落だ。
父は漁師で私が小さい時に沖合いで死んだらしい。
大型客船が方向性を失って、父の船に突進して来たようだ。
でも、命の代金は多額ではなかったらしい。
だから母は海鮮工場で働きながら、女手一つで二人の子供を育ててくれたんだ。
最近、東京の大学に通っている兄貴に恋人が出来たらしい。
私は密かにそれを探りにやって来たのだった。
兄貴ったら何やってるんだろう?
母が一生懸命貯めたお金で勉強させて貰っているのに。
でもそれを言うなら私だ。
何故私は此処にいるのだろうか?
私にまとわり付いた手は容易に外れない。
私は半ば諦めかけていた。
イヤだ……
こんなトコで……
何処だか判らないけど絶対にイヤだ!!
私は何故こんな場所に居るのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!