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時計を見ると11時を少し回ったところで、付けっぱなしのTVから賑やかな笑い声が流れている
(…懐かしいな翠、もうどれぐらい会ってないんだろう?俺が中3の頃だから15年ぐらいか?)
夢の中での彼女との再会に俺は胸が温かくなるのを感じていた
近所に住む翠は保育園から中学までずっと一緒の、いわゆる俺の幼馴染だ
翠の方が一つ上だったけど姉ちゃんって感じじゃなかったな
どちらかというと勉強も運動も負けたくないライバルっていうか…
ま、そう思っていたのは俺だけっぽいけど
そうやってしばらく懐かしい昔の思い出にひたっていた俺は、ふと夢の中の映像に意識を留めた
(あれって俺と翠だよな…)
意識的にあの男の子が自分だと思った
だからあの女の子は翠だと気付いたんだ
(でもどうして?あのシーン…俺は泣いていた翠の傍に近寄って行って……)
そのことは覚えていた
だけど
(俺、キスなんかしたか?)
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