はじまり

4/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
時計を見ると11時を少し回ったところで、付けっぱなしのTVから賑やかな笑い声が流れている (…懐かしいな翠、もうどれぐらい会ってないんだろう?俺が中3の頃だから15年ぐらいか?) 夢の中での彼女との再会に俺は胸が温かくなるのを感じていた 近所に住む翠は保育園から中学までずっと一緒の、いわゆる俺の幼馴染だ 翠の方が一つ上だったけど姉ちゃんって感じじゃなかったな どちらかというと勉強も運動も負けたくないライバルっていうか… ま、そう思っていたのは俺だけっぽいけど そうやってしばらく懐かしい昔の思い出にひたっていた俺は、ふと夢の中の映像に意識を留めた (あれって俺と翠だよな…) 意識的にあの男の子が自分だと思った だからあの女の子は翠だと気付いたんだ (でもどうして?あのシーン…俺は泣いていた翠の傍に近寄って行って……) そのことは覚えていた だけど (俺、キスなんかしたか?)
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!