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麗奈は街路樹の前に立ち止まった。
「でもさー、あの場でアドレス交換するのも変だし…今回は泣く泣く我慢したよ。えらいなレイナちゃん。」
麗奈は手を顔にあて、泣き真似をした。
「えらいぞ、レイナ。今回はがっつかなくて…。」
あたしは麗奈を「ヨシヨシ」っていいながら頭を撫でた。
麗奈は少しでも気に入ったタイプがいると、
とりあえず連絡先を手に入れる。
さすがの麗奈でも今回、あの場では聞くことが出来なかったみたい。
また会える保障はない!
今すれ違った人の中でまた出会える人はほとんどいないだろう。
”やらずに後悔するよりも、やって後悔した方がいいもん”って麗奈はよくそう言う。
「行こ。」
あたしは麗奈の腕を引き、また歩き始めた。
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