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あたし達はつものように、改札をくぐり電車に乗った。
そして席に座ると、電車に揺られながら、またいつものようにすぐ話しが始まった。
「ユイはいい加減、彼氏作らないの?」
あたしは、携帯のメールチェックをしながら聞いていた。
「なかなかいい人が現れなくて……。」
ほぼ毎日、この質問をクラスの誰かに言われる。
正直ウザイ。
だからか、返答はいつもこれ。
「ユイは綺麗だから、ユイ次第ですぐ彼氏出来ると思うのになぁ。まだ付き合ったことないなんて信じらんない。さっきの人も見とれてたよ。」
麗奈は、ニコニコしながら私の顔をのぞきこんだ。
「もうー、何言ってるの!!あたしが倒れてびっくりしただけ!」
あたしは、麗奈の膝を叩いた。
あたし達より大人の男性が、制服着て倒れる女に、到底興味を持つとは思えない。
「さー、どうだかね。」
麗奈は髪を触りながら、ほくそえんで答えた。
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