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咄嗟に出た右ストレートが1つ目のデカイ目にぶち当たった。
1つ目の手から力が抜けて解放された俺は一目散に公園から出ようと駆けだした。
『逃ガサナイ!セッカクノ上物ナンダ!!』
「うわっ!?」
足を掴まれて、1つ目と一緒にその場に転んでしまった。
俺は必死に振り払おうとするが、1つ目の力が強くて引き剥がせない。
『イタダキマース!!』
1つ目の大きな口が、俺の右足を覆うようにかぶり付いた。
正直、痛い。かなり痛い。右足が噛みちぎられそうだ。制服のズボンが軽く食い込んできた。
「ぐあぁぁ!?」
『美味シイ!美味シイゾ!!…!?』
ん?1つ目の様子が変だ…。
急に変な顔して…
『グギャ!!?』
「うわっ!?」
1つ目の口の中が光ったと思ったら、突然1つ目が弾き飛ばされた。
一体…なにが…?
「…これ?」
光っていたのは1つ目ではなかった。
光っていたのは俺の右足のポケット、あの御札だった。
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